自宅ではなかなかできない体験、それは焚き火。キャンプといえばテントで寝泊まり、ご飯を食べてフィールドで遊ぶ、おそらくこれが一番先に思いつくイメージかと思います。でもせっかくなら普段自宅で出来ない焚き火をしてみませんか?キャンプ歴10年以上の経験とキャンプインストラクターの知識を活かし、今回はキャンプをするならお勧めしたい遊び、初心者でも焚き火台で焚き火を楽しむ方法について解説します。焚き火の取り扱いに自信のない方もぜひ挑戦してみましょう!
焚き火の魅力とは
そもそも、焚き火とは何か?それは薪(焚き火用にカットされた木もしくは自然界で倒木等により発生した枯れ木)を特定の箇所に集めて火を焚くことです。普段住んでいる場所では出来ない行為でもありますが、キャンプは別です。そもそもキャンプは自然に身を置き、非日常体験を楽しむことが目的なので火を焚くこともまたキャンプを楽しむための大切なスキルです。
焚き火で原始的な炎を楽しもう
焚き火は薪で火をおこすので、着火から火力調整まで、ある一定の知識がないと難しいスキルです。ガスや電気でコントロールできることを人工的な炎とするなら、焚き火は人々が古くから利用してきた原始的な炎と言えるでしょう。それは生活するための炎であると同時に、人々に癒しを与える炎でもありました。
焚き火で得られる癒し効果
最近の研究によると炎は人がコミュニケーションをとるうえで大切な要素であることが分かっています。炎を囲むことにより人同士の雰囲気が良くなりリラックス効果、癒やし効果、またその場で共にした仲間で親しくなれる効果があり、他には会話が途切れる時間が減ることや会話が盛り上がりやすくなるといった効果もあることが確認されています。これは自然環境(川や雨の水音や虫の音など)に身を置く効果と合わせることでさらに効果が高まるものと思われます。
【参考文献】火のある暮らしの効用研究 : 暖炉によるコミュニケーション増進効果「人間・環境学会誌J-STAGE」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mera/10/1/10_KJ00008933490/_article/-char/ja/
私も子どもたちと焚き火トークを重ねて
親子の絆を強くしました!
炎の調理は美味しさアップ
焚き火の炎は癒し効果だけではありません。普段、家庭で使う炎といえばガスコンロですが、ガスコンロで出来る料理とは違う焚き火の炎で楽しめる料理がたくさんあります。これらにはダッチオーブンや鉄板、中華鍋など焚き火に合わせた調理器具を使用して料理することもできますが、やはり焚き火をするなら直炙りを体験してみましょう。
私の実体験ですが、フライパンなどで炒めた食材よりもグッと美味しさがアップします。また家族や仲間と共に火炙り体験することで会話が盛り上がり良い思い出になること間違いなしです!
火炙り体験はウィンナーの他に
マシュマロや生地をこねた焚き火パンなど
楽しい体験がいっぱいあります!
薪も大事なキャンプギア
それでは実際に焚き火をしよう~!っとなるところですが、ここで一番大切なことをお伝えします。それは薪も大事なキャンプギアということです。一般的には野山に落ちてる枝を拾ったり、キャンプ場で売られてる薪を使用したりしますが、確実に焚き火を楽しむのであれば、私は薪の通販をお勧めします。
焚き火の良し悪しは薪で決まる
焚き火の燃料となる薪は状態によって着火時間、燃焼時間などに大きく影響してきます。薪の状態とは薪の中に含まれる水分(含水率)がしっかり焚き火用に保たれている、燃えやすい・火持ちが良い樹種の選別が薪の品質を決めています。
よって野山に落ちている木の(幹)枝は当たりはずれが多く、初心者には向いていません。また、キャンプ場で売られている薪についても品質が保たれているか分かりません。これについては実際に私がキャンプ場で購入した実例を紹介します。
写真はひと山500円程度でキャンプ場で販売されていたものです。薪の量がとても多く、一見しっかりした作りのように見えます。私もお得感があるなと思いました。さて、それではこれを実際に点火すると、どうなるのか?
まず最初の段階で非常に火付きが悪かったです。粘って何とか点火まで出来たものの、薪が爆ぜて火の粉が飛び、炎は途中で小さくなっていき大量の煙が発生し、目を開けられませんでした。これは先ほど触れた薪の含水率が高い、つまり薪がしっかり乾燥されていないためです。奮闘している間に2時間経過。これではとても焚き火を楽しめる状況とは言えません。このことから分かる通り、焚き火において薪は重要な位置にあり、薪の良し悪しによって大きく変わります。つまり薪も大事なキャンプギアだということです。
キャンプ場で販売されているからといって
良い薪だとは限らないと学びました。
薪通販を勧める理由
それでは、良い薪を安定して手に入れるためにはどうしたらよいか?そこで私がおすすめしたいのが薪通販です。薪を専門に販売しているお店はプロの手によって、シッカリと薪の品質管理がされています。
この薪を購入することで、常に安定した焚き火を行うことが出来るので安心です。また焚き付け用の針葉樹と火持ちの良い広葉樹などをキャンプの焚き火用に準備してくれるので薪の知識に自信がなくても持って行くことができます。私がよく利用する薪通販のお店は私の地元である青森県にある「メヤマキ」さんです。
青森県西目屋村にある薪専門店です。里山保全のプロジェクトを掲げ、薪を生産販売することによって日本古来からある里山を守ろうと新たな挑戦にチャレンジしている素敵なお店です。皆さんもぜひ自分のお気に入りの店を見つけて、シッカリした品質の薪を購入しましょう。
昨今のキャンプブームの影響で
薪通販店はとても多くなりました!
薪の種類と特性を理解する
薪といっても、針葉樹薪や広葉樹薪などいろんな薪があります。焚き火の用途によって用いる薪の種類は異なりますので、その違いをしっかり把握しておきましょう。
薪の種類 | 特性 |
針葉樹 スギ、ヒノキ等 | 火付きが良く、燃えやすい。また加工しやすく軽い。 火持ちが悪いため焚き火を長く楽しむことには不向き。 主に焚き付けや調理に用いられる。 |
広葉樹 ナラ、クヌギ等 | 火付きが悪く、燃えにくい。また加工しにくく重い。 火持ちが良いので針葉樹を焚き付けにして火を熾す。 主に焚き火を長く楽しむために用いられる。 |
広葉樹では他にサクラやリンゴがあり
焚き火の香りも楽しめます!
私のおすすめ焚き火台
焚き火を行うスタイルとして地面にそのまま薪を置いて着火する直火スタイルと、焚き火台を用いて行う焚き火台スタイルに分けられます。最近は周囲への自然環境に配慮するために焚き火台スタイルが主流となりました。またキャンプ場でも芝生保全のために焚き火台スタイルで行うことを義務付けるキャンプ場がほぼ占めています。そこで私がおすすめする焚き火台を紹介ます。
焚き火台って種類が多くて
私もめちゃくちゃ悩みます
自分に合った焚き火台を選ぼう
キャンプブームの影響が大きく、焚き火台と一口にいっても各キャンプメーカーの焚き火台がたくさんあります。大きく分けるならば、真四角のスクエア型、横に伸びるレクタング型、丸いサークル型などなど形も多種多様で大きさも異なります。また焚き火そのものを楽しむのか、料理を中心に楽しみたいか、選択肢は山ほどあります。
その中から絞り込むためには、自分に合った焚き火スタイルを絞り込むことが大切です。そこで私なりにシンプルに大きく分けると下記の3つの条件で絞り込めます。
- 利用人数は多いか少ないか?
- 用途は焚き火のみか?料理もするか?
- 収納と性能どちらを優先するか?
利用人数はソロキャンだけなら小型、ファミキャンやグルキャンがメインになるなら大型になります。用途は焚き火のみに対し、料理対応であれば五徳や網がセットになった焚き火台を選択します。また収納と性能は相反しますので、収納重視であればコンパクトに折りたためて軽いもの、性能重視であれば二次燃焼効果やスロットルが付属したり焚き火性能が上がりますが製品重量が重くなります。このように3つの条件を当てはめることで自分に合った焚き火台を選ぶことができます。
私の様にあれもこれもと絞りきれずにいると
焚き火台を5台所有する事態になるので要注意です!
私がおすすめする焚き火台
自分に合ったものといっても、あまりにも数が多い焚き火台。どれに絞り込んでいいか分からない方も多いかと思います。そこで私が今までキャンプで実際に使った焚き火台、またはグルキャンで学び、欲しいなと思った焚き火台からおすすめの焚き火台を紹介します。
1.snowpeak 焚火台
キャンプにおいて焚火台を使用することを最も先に取り組んだのがsnowpeakです。逆ピラミッドのスクエア型で組み方がコンパクトで簡単、女性にも扱いやすく、タフなステンレス材質なので長持ちします。
2.ユニフレーム ファイアグリル
スクエア型でロストルと網が付属しており、焚き火と料理が楽しめるコスパ最高の焚火台です。組み立て方も簡単で初心者でも安心して焚き火を始められます。また耐久性も非常に高く、長年使い続けるユーザーもいます。
3.ユニフレーム 薪グリル
横長に伸びるレクタング型でタフなステンレス材質もさることながら、強固な造りとなっているため、ダッチオーブンも載せることができます。また焚き火台を囲うように張られた遮熱板により輻射熱が得られ暖房効果も高まります。あまりにも人気が高いため、一時は入手不可が続いた製品です。
4.mont-bell フォールディング ファイヤーピット
登山メーカーで有名なmont-bell初となる焚き火台です。頑丈な造りで最大の特徴は独自の二重・深型構造による「ドラフト効果」と「二次燃焼」のダブル効果を発揮する燃焼効率に長けた焚き火台です。私はグルキャンでこれを実際に見ましたが、とても使い勝手が良く欲しい製品です。
私が自信をもっておすすめする
最高の焚き火台を4つ紹介させていただきました!!
焚き火台にシートを使おう
焚き火台を購入する際にセットで購入したいのが焚き火用難燃シートです。一般的には焚き火シートと呼ばれていますが焚き火台の下に敷いて焚き火台からこぼれる炭や灰、火の粉などを受け止め延焼を防ぐ効果があります。
焚き火シート利用は義務ではありませんが、安全性に配慮する観点から焚き火マナーとして使用することをおすすめします。
焚き火に便利なキャンプギア
その他に焚き火に便利なギアとしてライター&マッチや薪掴み用のトングや耐熱手袋、灰捨て用のアルミ缶を事前に準備しておきましょう。
これはヤケド防止にもなるのでぜひ用意しておきたいキャンプギアです。
焚き火の着火方法を簡単解説
薪と焚き火台を準備したら、いよいよ着火です。初めての焚き火は手順も分からず火をつけることできずに断念する方もいます。そこでWish流簡単に着火できる焚き火の手順を紹介します。
コツさえ掴めば
あっという間に着火できますよ!
焚き火を始める前に
まずは焚き火を始める前に周囲の確認と火消し用の水を用意しましょう。
周囲の確認とは、焚き火を行う場所周辺に燃えやすいものがないかの確認です。火の粉は飛びやすく周辺に燃えやすいものがあると延焼する可能性が高いです。特に気をつけたいのが紅葉シーズンです。
落ち葉が大量に降り積もったフィールドは着火、延焼の危険性が高くなります。焚き火をするのであればサイト設営の場所を変えるか落ち葉を片付けましょう。火消し用の水についてはキャンプする上でウォータータンク等があるので省きます。
火消し用の水は焚き火が終わった後に
周囲に撒いておくと、より安全ですよ!
着火方法は自由、それがキャンプ
それではいよいよ着火となります。着火方法はいろいろなスタイルがあります。例えば紙や着火剤を使用してライターで着火する一般的なスタイル、木くずやフェザースティックを作成して着火する凝ったスタイル、また玄人になると麻紐やファットウッドを使用して火打石で着火するブッシュクラフトスタイルもあります。
どのスタイルが良いかは個人の好みです。よく「〇〇〇で着火しなければキャンパーといえない」なんて語る方もおりますが、私からするとキャンプスタイルのどこにこだわるかは個人それぞれです。簡単にライター着火でも良いですし、火を育てるブッシュクラフトスタイルでもかまいません。自分が満足できる着火方法を選択しましょう。着火方法は自由、それもまたキャンプなのです。
薪の着火は針葉樹から始めて小さい炎から大きい炎に育てること
着火方法は自由と言いましたが、うまく着火させるコツはあります。記事内の「薪の種類と特性」でも触れましたが火を熾すならまずは針葉樹を使いましょう。
針葉樹は火付きが良く燃えやすいです。この特性を生かして徐々に炎を大きくしていきます。また薪の購入当初は薪が太く着火しにくいのでナイフやオノなどを使ってバトニング(叩き割り)をして細い薪を作りましょう。
同じ針葉樹でも太い薪より細い薪の方が着火しやすく焚き火が早くできるようになります。バトニングで出来た細い薪を積み重ねていき、炎を少しずつ大きくしていきます。
バトニングナイフは専用のナイフを買いましょう!
針葉樹により焚き火の炎が大きくなって安定して燃えるようになったら広葉樹薪を入れます。広葉樹は火付きは悪いですが火持ちが良いので長く焚き火を楽しむことができます。
焚き火で着火を成功させる秘訣は小さな火から大きな炎に育てることです。これを心がけることで誰でも簡単に焚き火をすることが出来るようになります。
炎を育てる。
これも焚き火の醍醐味です!
おわりに
今回は焚き火の魅力と薪の重要性、そして焚き火台と点火方法について初心者でも焚き火台を使った焚き火の楽しみ方について基本解説させていただきました。
- 焚き火は癒し効果があり料理も美味い
- 薪は大事なキャンプギア
- 焚き火は焚き火台使用が主流
- 着火のコツは小さな火から大きな炎に育てる
古来から人は炎を恐れ、そしてその炎を使いこなすことで生活の基盤を築いてきました。現在では火を熾すことはなくなりましたが、それでも焚き火から得られる癒し効果や満足感を求め、キャンプで出来る遊びとして人々から求められています。
準備や片付けに手間はかかりますが、非日常体験を楽しむことがキャンプの本質です。ファミリーキャンプなら家族や友人と焚き火で火炙り調理を楽しんでみたり、ソロキャンプなら焚き火で火を眺めながら読書する有意義な時間を楽しむなど、いろんな楽しみ方が焚き火にはあります。
ぜひ薪と焚き火台を車に積み込んで、キャンプでしか出来ない焚き火台を使った焚き火を楽しみましょう。より充実したキャンプライフを送ることが出来るよう心から願い、記事の締めとさせていただきます。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!楽しいソトイクライフをお過ごしください。
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