キャンプで炎の揺らぎが癒しになると、人気が高いのが薪ストキャンプ。自宅の暖炉と違い、キャンプ専用に作られた薪ストーブは灯油系キャンプ用ストーブより暖房性能が高く、炎の揺らぎを満喫したり美味しい料理を作ったりキャンプをより楽しめるギアとしてメディアに登場する機会は多くなりました。私も実際に薪ストキャンプをやってみましたが、いろんな魅力を体験することが出来ました。ですが、最近では薪ストーブをやめるキャンパーさんが増えています。大きな原因としては、火力の調整が難しいことや、設営撤収が想像以上に手間がかかることです。また薪ストキャンプを始めようと購入した方の中でも、薪ストーブの添付説明書にはテント内で使用する方法については記載されていませんので、何を準備してよいのか戸惑う方もいます。
薪ストキャンプって大変ですか?
安易な気持ちで始めると後悔します
そこで今回は薪ストキャンプを始めようと検討している方や薪ストーブを購入したものの使い方が分からないなど不安を感じている方向けに初心者でも後悔しない薪ストキャンプの始め方と題して4つのステップに分けて、分かりやすいユーザーマニュアルを作成しました。なぜ薪ストキャンプをやめる人が増えているのか?またはテント内で使うことが出来ない薪ストーブをテントで使う方法など、キャンプインストラクターの視点から気づいた事故防止対策も含めて、徹底的に解説していきます!
テントで薪ストーブ使用は禁止です
まずは前置きです。薪ストーブを販売する各メーカーでは幕内(テント内)の火気使用は禁止されています。
えっ!?
販売してるのにテントで
使っちゃダメなの?
『原則』使用禁止です。
リスクが高く、メーカーで
責任は負えないってことですね。
暖房器具をテント内で使用することにより火事、一酸化炭素中毒などの事故を引き起こす要因となります。場合によっては死亡事故につながるので幕内は火気使用禁止としています。
コンロの使用による、酸欠や一酸化炭素中毒の危険があるだけでなく、テントに引火することもあります。 これらはいずれも重大事故につながるため、テントの中では燃焼器具類の使用はやめましょう。
日本キャンプ協会 https://camping.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/06/safety4.pdf
私自身は薪ストーブを幕内で使いますが、リスクを把握したうえで安全を意識して使用しています。当記事はテント内での薪ストーブ使用を強制するものではありません。使用に起因して生じる結果はユーザー責任であり、当記事では一切の責任を負わないものとさせていただきます。
これがメーカーの説明書に薪ストキャンプの方法が書いていない理由です。
Step.1 薪ストキャンプをやめる理由とは?
「薪ストキャンプを始めてみたけど、やめたくなった」という声が多いです。私も薪ストーブを購入する際に情報を集めましたが、デメリットを扱う情報は少なく、『さあ始めよう!さあ買いましょう』と良い事ばかり伝える情報ばかりでした。私は情報を元に薪ストーブを選び、薪ストキャンプやってみましたが、思った以上に大変でした。事前準備から設置、撤収作業そしてメンテナンスまでどれも手がかかることばかりです。薪ストキャンプを始めたばかりの時は後悔し、やめようかと思いました。私が実際に薪ストキャンプをやってみて感じたメリット・デメリットはこちらです。
始めた当初は総費用も含めて、メリットに比べてデメリットが大きいと感じました
繰り返しになりますが、事前準備から設営撤収まで本当に大変です。最近のネット情報では伝えるサイトがありません。もし私がキャンプ初心者であれば、間違いなく薪ストキャンプを諦めて薪ストーブを手放していたでしょう。
もし、薪ストキャンプに不安を感じている方は、こちらの記事を読んでいただき、余計な出費を抑えることをお勧めします。
薪ストーブも安い買い物ではありません。買ってしまうと処分するにもお金と時間がかかります。こちらの記事を読んでいただき、安易に流行りに乗って薪ストーブを買ってから後悔しないために、自分が薪ストキャンプを始めたい動機について今一度振り返りましょう。それでも薪ストキャンプへの興味が尽きない方はぜひ次のステップへどうぞ。
薪ストーブ購入するお金を別ギア購入にあてた方が良いと思うかもしれません
Step.2 キャンプ用薪ストーブの選び方
最近は薪ストーブも注目度が上がり、各メーカーから多種多様なキャンプ用薪ストーブが販売されました。機能満載のタイプやコンパクトタイプ、デザイン重視だったりコスパが高い薪ストーブなど、その種類は多岐にわたります。このあふれる多くの薪ストーブから自分に合った薪ストーブを選ぶことはとても大変です。また安易に購入してしまうと後悔する可能性も高くなります。そこで薪ストーブそれぞれの特性を分類化し、3つの質問に回答することで自分に合った薪ストーブを選べるように考えてみました。
- あなたは機能派ですか?それともコンパクト派ですか?
- あなたは高価で長く使う派ですか?それとも安価で買い替える派ですか?
- あなたがこだわる薪ストーブの材質はどちらですか?
これらの質問に回答することで、今の自分のキャンプスタイルに適した薪ストーブのイメージを見定めることができます。そして購入する際には迷いを減らすことができるでしょう。詳しい手順についてはこちらの記事に解説しています。
自身では意外と掴みにくい自分のキャンプスタイル、答えひとつに絞りきることは難しいですが「こんなはずではなかった」と後悔するような購入にはならないはずです。ぜひ自分の相棒となる薪ストーブを選びましょう。
この商品が!という決め方ではなく自分のキャンプスタイルに沿ったイメージを持つことで範囲を絞れるように考えました
Step.3 薪ストキャンプは事前準備が大切です
薪ストーブを準備出来たらいよいよ薪ストキャンプデビュー・・・とはいきません。薪ストキャンプを始めるためには様々な事前準備が必要です。
- キャンプ用薪ストーブの部品確認
- 必要最低限、焚き火用のギアを準備
- テントはTC素材推奨
- 二重ファスナーにはクリップ準備
- 雪中キャンプなら土台が必要
- テント内で薪ストするなら煙突ガード必須
- 煙突高さを意識して火の粉対策
- 本体と煙突固定するための準備
- 煙突ブラシの準備
- 薪ストーブ専用温度計を準備
- 焼きつき防止耐熱潤滑剤は不要
- 良質の薪を必ず確保すること
この準備を怠ると事故を招いたり楽しい薪ストキャンプが出来なくなります。必ず事前準備はしっかり行いましょう。またこの事前準備について、私はネット情報を漁って、検証することなく鵜呑みにした結果、愚かな失敗をしました。それは煙突が抜けにくいから「焼きつき防止耐熱潤滑剤を使用する」という情報でした。実はこれがタール発生を促しい発火する原因になるため、メーカーでは禁止されていました。この件も含め、事前準備について詳しい内容をこちらの記事でまとめています。
今もこれらの情報は削除・修正されることなく取り扱われているサイトや動画もあります。正しい知識をもって事前準備はしっかり行いましょう。
ネット情報はしっかり精査しましょう…
Step.4 テント内で薪ストーブを使うための手順
薪ストキャンプはテント内で使用することが前提として考えられることが多いですが、テント内は使用禁止されています。よって薪ストーブの説明書には詳しい使い方は記載されていません。そこで私は説明書、ネット情報、先輩キャンパーから情報を集め使い方を学びました。薪ストキャンプをするためにテント内で薪ストーブを使うための手順は次の通りになります。
- テント設営後に薪ストーブの位置決定
- 煙突組立て、本体と煙突の固定
- 点火は小さな火から大きな火へ育てる
- 暖機運転してから薪投入
- 給気口と温度計で温度と火の管理
- 撤収は設置と逆の手順で
- 煙突掃除を必ず行う
- 残った灰は灰入れ缶(火消し壺)へ
大まかな手順はこの流れになります。また、薪ストーブを使用するにあたり、もっとも重要なのが温度管理と火の管理です。これらは煙突ダンパー、給気口操作と温度計で行います。これも薪ストーブに添付される説明書では詳しく書かれていません。これらも含め詳しく別記事で解説させていただきました。
始めたばかりの頃は不慣れで大変に感じてしまいますが、何度も薪ストキャンプを経験することで自然と使い方は身につきます。ぜひ薪ストーブマスターを目指しましょう。
手慣れた感じで薪ストキャンプしてる方に憧れますよね!
まとめ
薪ストキャンプを始めるためのマニュアルはいかがでしたでしょうか?後悔しない薪ストキャンプの始め方として、4つのステップについて解説させていただきました。
これらの情報は薪ストキャンプを始めようとされる方からすると、膨大な情報量に戸惑ってしまいます。そして「めんどうだからやめてしまおう」と思われるでしょう。それが正解です。
安易に薪ストキャンプ始めると、楽しいキャンプの思い出は薪ストーブの設営撤収しか記憶にない!…なんてこともあるかもしれません。
そもそも、ストーブ類を使用するキャンプというだけで、多くのテクニックや経験、知識が求められます。これらを無視して安易に始めてしまうと、大きな事故にも繋がってしまいます。キャンプを始めたばかりの方や経験に自信がない方は、まずはコテージや電源サイト等を利用したキャンプで経験を重ねることをお勧めします。
またキャンプ経験があり始めてみたいと意欲のある方は別です。薪ストーブの多くの情報量に戸惑うことになるかもしれませんが、初めてのキャンプの時はどうだったでしょうか。テントの選び方、寝床(シュラフ)の選び方などキャンプギア選別からキャンプ場デビュー、いろんな事故防止対策など同じように膨大な情報量であったにもかかわらず、大変だと思いながらも楽しいキャンプ経験を重ねてきたはずです。
薪ストーブは石油ストーブでは得られない満足感があります!
薪ストキャンプも同じです。最初は失敗することもあり後悔することもあるでしょう。でも何度も繰り返してフィールドに出ることにより、薪ストキャンプのスキルが上がり設置から撤収まで最適化されて、いつのまにか自然体で楽しめる薪ストキャンプになっていると思います。さまざまなキャンプスタイルがある中で、”もっとも大変だけどもっとも楽しい”それが薪ストキャンプです。ぜひ楽しいキャンプライフを送れますように、この記事が皆さんのお役に立てることを心から願います。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!
楽しいソトイクライフをお過ごしください。
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