キャンプブーム到来、各メディアなどでも大きく取り上げられ、著名人でもキャンプ好きを公言する方が増えました。そんなキャンプに資格が存在するってご存じですか?実はキャンプ指導者という資格があります。でもキャンプに資格は必要なのか?これからキャンプをしたい方は疑問に思われますよね。
キャンプって資格が必要?
キャンプするだけなら資格は不要!
結論を言うと、キャンプに資格は必要ありません。でも私は2022年6月にキャンプインストラクターというキャンプ指導者の資格を取得しました。このことを周囲に伝えると「キャンプ場で働くの?」と困惑顔でした。私はキャンプインストラクターを取得したけど、キャンプ場では働きません。キャンプインストラクターとは、キャンパー個人やグループに対して、キャンプ指導を行う役割を担うことができる指導者として認められた資格です。そして私が取得した理由、それは誰かをキャンプ(アウトドア)に連れていくために必要なスキルを学ぶ資格だからです。今回はキャンプ歴10年以上の私がキャンプインストラクターという資格について資格内容や講習内容、試験合格するまでの情報と資格取得によるメリットとデメリットを説明したいと思います。
アウトドアに関わる資格とは?
キャンプを含め登山やハイキング、それからバーベキューに至るまでアウトドアアクティビティにはいろんな協会が存在し、資格または検定というものが各協会に存在しています。
これらの資格を有していないとイベントに参加できないとかキャンプ出来ないとか、そういったことはありません。あくまでも専門性の高い知識と技術力を学ぶため、そしてその人が持つスキルの可視化のために資格が存在していると考えましょう。
キャンプ指導者について
今回はこの数ある資格の中で、キャンプに関わる資格に絞り込みます。それは日本キャンプ協会のキャンプインストラクターと日本オートキャンプ協会の公認オートキャンプ指導者です。どちらもキャンプにおける基本スキルの学習と指導できる知識を得ることを目的とした資格になります。
どちらもキャンプ指導者の資格です
キャンプ指導者資格の特徴
どちらもキャンプ指導者の資格になりますが、全く同じ資格なのか?というと学ぶ内容や目的が微妙に異なります。
公益社団法人日本キャンプ協会 キャンプインストラクター
日本キャンプ協会は1966年に設立され、主に野外活動としてのキャンプを普及振興を目的としています。資格の内容は文部科学省の影響を強く受けていることからキャンプやアウトドア活動を教育面からとらえ、子どもの育成や未経験者への指導が出来るような資格になるように構成されています。また上位資格として、キャンプディレクター1,2級があります。
一般社団法人日本オートキャンプ協会 公認オートキャンプ指導者
日本オートキャンプ協会は1969年に設立され、主にレジャーとしてのキャンプを普及振興を目的としています。資格の内容は民間企業の影響を強く受けていることからオートキャンプと観光を結び付けたレジャー面からとらえ、キャンプ場経営やキャンプ未経験者への指導が出来るような資格になるように構成されています。
指導者資格の違いについて
文章だけでは少しわかりづらいので、比較表を見てみましょう。
どちらも結論からいうとキャンプ未経験者への指導を目的としていることは変わりません。ただし、資格がもつ性格が異なります。分かりやすく端的に言えば、キャンプインストラクターは学びとしてキャンプ指導できる、公認オートキャンプ指導者は遊びとしてキャンプ指導できる、もしくは「国と民間」または「文部科学省と国土交通省」というイメージもあります。
「教育関係者ならキャンプインストラクター」
「キャンプ場勤務ならオートキャンプ指導者」
大雑把に分けるとこんな感じです!
私がキャンプインストラクターを選んだ理由
2つあるキャンプ指導者資格ですが、私はキャンプインストラクターを選びました。ちなみに私は学校教育関係者ではありません。そんな私がなぜ学校教育者の側面が強いキャンプインストラクターを選んだかというと、私が今まで経験したファミリーキャンプやグループキャンプで一番機会が多かったのが「子どもと接する機会」だからです。
一緒にキャンプすることはもちろん、登山の他いろんな外遊びを行うことが多かったです。その中で自分にとって実力不足を痛感したのが、子ども達への指導や病気・ケガに対する知識の不足でした。
こういった基礎知識を欠かしたまま、今後ファミリーキャンプやグループキャンプを行うことはとても怖く感じました。そこで私はキャンプだけに限らず、登山などのアウトドアアクティビティに広く活用できること、そして子どもの指導に強いキャンプインストラクターを選択しました。ただし私の場合は事情が特殊なので、一般的なキャンパーはファミリーキャンプやソロキャンプでよく使われるオートキャンプで活かせる公認オートキャンプ指導者をお勧めします。
2つの資格それぞれ異なった性格面あるので
自分に合った資格を選びましょう!
キャンプインストラクターの受講から合格まで
それでは私がキャンプインストラクターを取得した方法から合格までの経緯を簡単に説明します。
受講方法と主な講習内容
受講方法はホームページから講習会場や日程を確認し、それぞれの都道府県キャンプ協会に申し込み・連絡します。
また概ね、どこの講習会も講習内容は同じです。それぞれの講習会場であるキャンプ場等で理論(10時間)、実技(10時間)の講習を受けます。
計20時間の講義になるのでキャンプ場で1泊2日の講習を2回受講することになります(開催場所によっては3泊4日プランもあり)。そして受講最終日に試験を受けて合否を判定する流れです。
オンライン講習
ただ、昨今の感染症増加の影響で感染により受講できなかったり不安を感じる方もいるかと思います。遠方により参加できない方や一泊二日の宿泊講習は調整が出来ない場合もあるでしょう。そこで日本キャンプ協会ではオンラインによる講習会も受講対応しています。私は受験当時、地元青森県で講習会予定が予定されていなかったため、協会に確認の上でオンライン講習会を受講することにしました。
オンライン講習の日程と費用
オンライン講習はカリキュラムである理論・実技(計20時間)を実施するため、90分×8日間のスケジュールでzoomにより実施されます。1週間に1日~2日程度で約1ヶ月ほどかけて講習を受講します。
費用はテキスト代含めて3万円です。テキストは1冊のみ、郵送で送られてきます。オンライン講習事務局より電子メールで受講方法やzoomアカウントの案内があります。
講習前に準備しておくもの
講習では実技があるので、実技に必要な道具の準備をします。準備する道具はオンライン講習事務局より事前に連絡はありますが、キャンプ経験がある方であればキャンプ用のナイフだけは準備しておきましょう。アウトドアナイフがない場合は果物ナイフなどの代用も可能です。またグループミーティングで自分のキャンプ経験やキャンプギアの紹介をする機会もあるので頭の中で整理しておくこともおススメです。
新たに何か道具を買うことはなかったです。
小物で足りないものもあったけど
100円ショップで買えるものばかりでした。
実技に不安な方はオプションあり
キャンプ経験が全くない方はオンライン講習会だけでは実技に不安があると思います。そこで、「自分キャンプ」というオプションがあります(別料金)。キャンプ場のスタッフからサポート受けながら実際にキャンプができるオプションです。キャンプ経験がない方はぜひ申し込みましょう。
講習内容(理論、実践)
講習内容はzoomによる講師の授業が中心となります。パワーポイントによる教材とテキストを使用して進めていきます。またパワーポイントの教材は後日、資料としてPDF形式でいただくことができます。
理論ではキャンプの歴史から基礎知識、団体で野外活動をするための方法や安全教育について講習が実施されます。実技ではロープワーク、ナイフワーク、キャンプで出来る料理の実践などが行われました。
また各回の講習が終わった後には講義内容に関する課題提出があります。課題提出により講習会出席の条件にもなりますので必ず課題は提出します。
試験について
すべての講習を終えて、課題を提出するとオンライン講習事務局より試験問題と解答用紙が郵送されます。これに解答し用紙を事務局に返信すれば試験完了です。
問題は全部で50問、30問以上正解すると合格圏内です。試験問題は講習会で学んだことやテキストに記載されていることだけなので、比較的簡単な試験内容となっています。合格率は発表されていませんが、しっかり講習会を受講し課題提出しておけば100%合格できると思います。
試験合格後について
試験問題を返送してから約1~2週間くらいで認定証(合格証)がオンライン講習事務局より自宅に届きます。
認定証が届いてから2~3週間程度で居住地である各都道府県キャンプ協会から会員証と会報誌、その他資料が送られてキャンプインストラクター資格取得完了となります。
オンライン講習は講師の先生が明るくて
とても楽しい内容でしたよ!
資格取得によるメリットとデメリット
それでは実際に一般的なキャンパーである私がキャンプ指導者資格のキャンプインストラクターを取得後に感じたメリットとデメリットを説明します。
資格取得のメリット
- キャンプの知識を深く学べる
- 同じ資格取得を目指す方々と交流できる
- キャンプをより深く学べたことに自信が持てる
- 資格保有者という立場から引率できるようになる
- 最新のキャンプ情報を取得できる
取得して良かったなと一番強く感じたのは講習会の内容です。今まで10年以上キャンプをしてきた私ですが、それでも知らなかった知識やスキルがたくさんありました。今まで深く考えずに子どもたちを引率していたキャンプ。もし講習を学んでいなければ、いつかはケガや事故を起こしていたかもしれません。そして同じ講習会で受講していた方々との交流する場があり、お話させていただいたことも良い経験となりました。また自分でキャンプについて深く勉強し、試験に合格できたことに対する自信が持てました。これにより今後は資格保有者という誇りをもってキャンプやアウトドアアクティビティの引率が出来ます。そして年4回の会報誌を受け取ることで最新のキャンプ情報を取得できます。
資格取得のデメリット
- 資格取得のための初期費用は3万円(2022年現在)
- 毎年、年会費や更新料がかかる
- 都道府県協会の所属会員となるため、イベント等の参加要請があるかも
- 一般的なキャンパーにはキャンプ指導者専用のコンテンツに物足りなさを感じるかも
それでは逆に資格取得のデメリットですが、初期費用が高いことです。これはキャンプインストラクター、公認オートキャンプ指導者どちらも同じで3万円かかります。新しいキャンプギアが買える金額です。また毎年、年会費と資格更新料が発生します。キャンプインストラクターの場合は6100円、公認オートキャンプ指導者は7500円を毎年支払います(2022年現在)。毎年経費として支払うので負担が大きく感じるかもしれません。そして各都道府県協会の所属会員となるため、都道府県によってはキャンプイベント等に参加の要請などもあるかもしれません。他の会員との交流を望まない方であれば煩わしく感じてしまうかもしれません。また教育関係者・キャンプ場に勤めてる方は除き、一般的なキャンパーはキャンプ指導者になっても利用できるコンテンツが少なく感じるかもしれません。
資格に対して何を求めるのか
それをしっかり判断して取得したいですね!
まとめ
キャンプに関わる資格の中で公認オートキャンプ指導者、また私が取得したキャンプインストラクターについて解説させていただきました。良いことばかりではなくデメリットがあるのでキャンプ指導者の資格取得にためらいが生じるかもしれません。
ただ、私たちは現代社会において管理された環境に囲まれていることから、自然環境に対して安易に考えている傾向が強いです。自然は癒しであり私たちをリラックスさせてくれます。しかし一歩踏み出せば、そこには天候急変によるトラブルや、大人子ども問わず多くのケガや事故など自然環境に潜む危険にさらされています。今も水難事故やキャンプの事故などニュースで痛ましい事故が次々と報道されていることで危険性が高いことが分かります。そこでキャンプやアウトドアに関わる専門的な知識について深く学び、それらの知識を活かすことができるのがキャンプインストラクター、または公認オートキャンプ指導者です。これらの資格がなくてもキャンプは出来ます。でもファミリーキャンプやグループキャンプなど、誰かをキャンプ(アウトドア)に連れていくならぜひお勧めしたい資格だと私は強く思います。キャンプの専門知識を学び、安心で安全な楽しいキャンプライフを送りましょう。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!
楽しいソトイクライフをお過ごしください。
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